今から10数年前のこと。インターネットの世界がようやく広がり始めた頃。スズキの軽スポーツカー、「カプチーノ」のカスタムにはまっていて、カブチーノ愛好者同士の集まりがあった。その主催者のホームページにある投稿者がいて、「ブログを始めました。」とあったのが新鮮に目に映った。彼は外食をする都度カメラで料理を撮っては投稿をしていたが、自分のブログには「カプチーノの最適化」をアップしていた。最適化は愛車をカスタムする上で、外見をことさら飾りたてるのではなく、基本的に自分の感性にフィットするように改善することだ、と書かれてあった。エンジンのパワーアップ(タービン、ECU交換、これはモディファイにつながるが)、しなやかな足回り、シートの改善、シャシー各部の強化、車体軽量化、空力改善などなど、かなり素人離れした内容であった。その延長上にあって、フェニックスは数年前から始めたスクーターの、旧型のスズキアドレスV125Gの最適化に腐心した。アドレスV125Gの、特に初期型のK5タイプは規制前のフルパワー仕様で、軽量クラッチ、軽量ウェイトローラーによって、通勤快速の名を欲しいままにし、当時原付二種スクーター界の王者であったのはご承知のとおりである。もちろん通常仕様が目的であって、車体各部は大型の二輪車に比べればコストダウンの影響を避けられず。必ずしもベストなスクーターとはいいがたい面も多かった。フェニックスは異端ではあるが、アドレス仲間の最適化方針に従い、まずエンジンのボアアップ(高速道路を走れるように軽二輪登録)から始め、吸排気見直し、ブレーキ見直し、前後サスペンションの見直し、車体各部の見直しを行った。その2に続く。